なんと、新オープニングでは殺生丸さまとツーショット!!どうしたんだサンライズ?!原作でも兄上に急接近(笑)ぎみの神楽姉さん、果たしてどうなるのかなあ。
私はこの人、好きですね。伝法で蓮っ葉で鉄火肌、色っぽくて、しかもその色香を武器にしないという、なかなか魅力あるキャラだと思います。しかし着やせするたちなのね、神楽姉さん、ブラもないのに小袖に隠れたすばらしい完璧なバストにうっとり・・じゃなくて、神楽はほんとに殺生丸のことをかなり早くから好きだったのですね。
ただ、神楽自身は最初はそのことを自分で意識してないんでしょう。四魂のかけらとひきかえに奈落を倒して、と殺生丸に迫ってすげなく断られたとき、内心で”バカ野郎”なんてつぶやく女ごころ、実に切ないです。
なんで“バカ野郎”なのか、あんなに強いのに力を貸さないからケチ、意地悪と思ったのか、男のくせに女の頼みを断るから冷たいと思ったのか、自由になりたいと望むのを自分でやれと正論で突っ返されたから、せめて相手をののしるくらいしかできないからか。
どれも本当でしょうが、神楽の心の奥底には私はあんたが好き、あんたも私を好きだと言って、私のために奈落と戦って、という本音がひそんでるのはモロバレ。
殺生丸も神楽の本心は見抜いて断ってると思います。四魂のかけらをあげるから助けてと言われて、欲しくないから助けない、と兄上は答える。奈落がこわいのか!とまで言われて殺生丸は、はっきり言わないとわからないのか、困った奴だな、というので、“お前のために”戦ってやる義理はない、というぐさりと来るような言葉が出てくる。義理ときたもんだ。好きでもなければ、借りもない、ということでしょう。裏切り、というのも殺生丸の美意識にあわないのかも。
また神楽は奈落と戦うのに、殺生丸自身の役に立つほど強いというわけでもありません。かけらと引き換えに足手まといを抱え込むくらいなら、兄上としては、自分ひとりで奈落をどう扱うか考えたほうがましです。
いずれにしても、四魂のかけらをくれようがくれなかろうが、殺生丸は自分が守る相手は守るし、守らない相手は守らない。何をしてやろうがやるまいが、振り向かない相手には振り向かないのです。こういう男を好きになった女は悲劇です。
ここで女を傷つけないよう遠ざけてやれる器があれば大人のクールビューティでしょうが、兄上はまだまだお若い(笑)
たぶん父上はさぞかしこういうことは経験されたでしょうねー。ずいぶんいろんな女に言い寄られたでしょうが(美形だし強いし優しいし)しかし父上も女の献身に関係なく、惚れた女は守ってやり、惚れない女には愛想ふりまくことはしない、という感じがします。ただ兄上とは違って、さりげなく女の気持ちを傷つけないやり方は心得ていたのでは。
相手に恋されても決して愛してやりはしなかったでしょうが、優しくはしてやった、あるいは望みくらいは聞いてやった、というところかな。なんとなく犬夜叉のほうがそういう点で父上に似ているような気がする。
腰抜け、といわれても顔色一つ変えない殺生丸さま、妖怪らしい冷静な気性もありましょうが、神楽に対して心底まったく興味がないので、何をいわれても全然心を動かされないのだ、という感じがひしひしと伝わってきます。この無関心、女ならひっぱたかれるより強烈に感じるでしょう。戦う相手であっても奈落のほうが兄上に相手にしてもらえるだけマシなくらい(笑)
この痛烈な無関心にもかかわらず、神楽がめげないところが漫画の漫画たるところ(笑)現実の世界で自尊心のある女なら、こういうやり方でこちらの気持ちを冷たく突っ返されたら、すっぱりあきらめるか、逆に可愛さ余って憎さ百倍、それこそ夜叉にも蛇になりそうなものですが、神楽姉さん、いじらしくそばをうろついたり、殺生丸を火の国の門に案内したり、妖気のかけらを渡したり、可愛いのう。
まあ、殺生丸がむちゃくちゃ強くて、自分を自由にできる力があるのは殺生丸しかいない!からそうしてるんだと自分では思ってるんでしょうが、そういう強い相手に惹かれていくのも女心のさがというもの、その底の底に隠された本心が、死にかけた最後の瞬間に、殺生丸のところに行くって形で顔を見せるというのは自然な流れですね。
死にかけたところで殺生丸のところに行ったって、何してもらえるわけでもないのですから、これは最初の目的である奈落からの解放はもう二の次になってしまって、ただ殺生丸に会う、というほうが目的になってしまってる。
兄上も、そこらへんは気づいてきてるのでしょうなー。回復した神楽が去るときに、複雑な表情で見送ってましたね。“邪見、りん、行くぞ”、なんて、わざわざ声をかけて側から二人をひっぱがして去ろうというのも、珍しくちょっと強引です。黙ってフイッと行ってしまいそうなもんだと思うのですが、いつもと違う。
殺生丸が神楽に好意を持つ、ということはあり得ないだろう、と私は勝手に思っています。宿敵奈落の分身であるというだけでも、突っぱねる理由は十分です。現れても殺さないだけ、十分好意的な対応と言えましょう。
ただ、なんといいますか、殺生丸は全然神楽から情報だの何だの欲しいとは思ってないけど、相手がいろいろ持ち込むので、よんどころなくその情報に耳を傾けるかたちにはなっています。またその情報は殺生丸にとって確かに役に立っています。
だから、たぶん、ちょっと借りを作っているというか、否応なく借りを作りかけている、作らされている感じを兄上は持っているんじゃないかなあ。それがいやなので、強いてそばに来る神楽にそっけなく遠ざかるような態度をとろうとしているような気もします。
特に死にかけた神楽が流れてきたところで、兄が打ち捨てて行こうとするとき、りんちゃんが助けようと川に入っていきますね。
ほんとに神楽のことを無視しさるつもりなら、ここで一言声をかけて、りんちゃんをとどめてもよかったはずです。あるいは流されたりんちゃんと邪見だけを助けて、神楽だけを流れに任せておく、ということだってできたでしょう。よけいなことはするな、と言ってね。
りんちゃんの手前気がねして、とか、助けないとりんちゃんに嫌われるから、なんてこた、およそありそうにないし(笑)あの兄上の気性では。
りんちゃんの助けたいという気持ちを尊重して、あの場は神楽も助けたんでしょうが、ということは、その優しいりんちゃんの気持ちを許す程度には、神楽を嫌ってはいなかったということでしょう。そしてその嫌っていない理由には、漠然とながら借りを作っている感じを兄上が持ったからでしょう。
もしも神楽が死んで、殺生丸がこれまでの神楽姉さんの献身に多少返してやろうというので天生牙でよみがえらせてやったら、心臓は彼女のものになるのかなあ。もしそうなったら、神楽はすごくつらいだろうなあ。だって奈落から解放してほしい、という望みはかなってしまうわけで、もう殺生丸に近づく口実ってものはなくなってしまう。奈落を倒すための情報を持ち込んでも、”もう貴様には関係なかろう”とか、”せっかく奈落から解放されたのなら、再び殺されないうちにとっとと立ち去れ”なんて言われそう。これはちょっと切ない展開かも。
犬夜叉あたりに、自由になったってんなら結構なことじゃねえか、なんていわれて、”あたしは望みどおり自由になったけど、自由になって何をすればいいんだろう。どうしたいと思ってたんだろう”、なんてつぶやいたりして。本当に欲しかった殺生丸の心はもちろん近づく機会すら、自由になったことで失ってしまった。あたし、馬鹿だ、とか言ったりして、そんでそれを聞いてる犬夜叉はわが身に引き換えて、俺も妖怪になりたいと思ってるけど、妖怪になったら、今、目の前の神楽が悩んでるみてえに、なくしてしまうものもあるのかなあ、妖怪にならないほうがよかったと思うことがあるのか、と考えたりする、なぁんて展開になると、ドラマかなー。
いずれにせよ、もし生きて殺生丸に振り向いてもらえないとなったらとるべき道は二つ、兄上のことを忘れて生きるか、それとも死ぬしかありません。可能性としては死ぬほうが高いだろうなあ、というのはおおかたのサイトさんの予想と同じ。
しかし奈落は神楽をどう利用しようとしているのか、考えられるやり方としては、
―神楽に嘘の情報を与えて、それを殺生丸に伝えさせ、あとで殺生丸が神楽に”お前嘘
ついたなっ””えっ、違う、そんなつもりじゃ””うるさい、死ね”という状況に追
いこむ
―御霊丸(だか魍魎丸だか)を解き放って、神楽が殺生丸のとこに行ったときに、まる
で神楽が殺生丸を誘い出したように仕組んで、御霊丸にりんちゃんを襲わせる。”神
楽、貴様!”となって殺生丸が怒って神楽を襲う。
―殺生丸に、神楽の目の前で、奈落の心臓と神楽の心臓とどちらかを選ばざるをえない
状況におき、奈落の心臓を選んだら、その場で神楽が死ぬようにしむける。どちらに
しても神楽は死ぬ、と思いつつ、殺生丸がためらうかどうか、またそのときの神楽の
様子を見て楽しむ(やなやつだな〜)
―神楽の心にりんちゃんへの嫉妬を吹きこみ、その一方でりんちゃんを襲わせ、殺生丸
がりんちゃんを助けるのを神楽が思わず邪魔するように仕向ける。んで神楽が殺生丸
の手にかかるようにする
―神楽に命じて殺生丸を誘いこみ、殺生丸が奈落の心臓と思って斬りこむと、実はそこ
に神楽がいるように仕組んでおく。殺生丸は心臓と思って神楽を斬るはめになり、神
楽は驚愕し、殺生丸に裏切られたと思って死ぬように仕向けようとする(奈落、おぬ
しもワルよのう)
全般的に、神楽にどうこうというよりも、神楽を使って殺生丸に罪の意識を感じさせるというか、後味の悪い気持ちにさせる、というほうがメインのような感じですね。
・・・しっかし、これだけ悪いやり方を思いつくというのは、私もけっこう奈落並みにひどい奴ということでしょうか(笑)
神楽姉さん、なんとか生き延びてほしいなあ。