突然ですが、皆様は、お姫さま抱っこというものを経験したことはおありでしょうか。
そう、あのお姫さま抱っこです。このサイトでも欠かすことのできない、萌えに必須の定番であります(笑)
どのお話でも基本的に必ず誰かに一度はお姫さまスタイルで抱きあげてもらっているうちの兄ですが、それにしてもなぜ、このお姫さま抱っこってこんなに萌え萌えスタイルとして定着しているのでしょう。なぜ女性は、というか受け身な立場（笑）のほうはこのお姫さま抱っこされるのをロマンチックと思うんでしょうか。
そもそもお姫さま抱っこ、という言葉がどこから生まれたかわかりませんが、映画とかテレビでたくましい男性がかよわい姫君を抱えあげるシーンから来たのは間違いないところだと思います。
もちろん肩に米俵のようにかつぎあげる方法、背中に負う方法、胴に手を回して脇の下に抱え込む方法など、ほかにも人が人を運ぶやり方はいろいろあります。
米俵方式が萌えないのはよくわかりますが、だからといってお姫さま抱っこに走る理由がわからない。
というわけで、ヒマな私は実技で試してみました。
まず男の腕は女性の脇の下から手を入れて支え、もう一方は膝の裏に入れて持ち上げます。脇の下に入れないと上半身がすべって落ちそうになります。ひじょーに身の軽い相手を(たぶんかごめとか桔梗とかうちの兄上とか)を持ち上げる場合は、腕ごと持ち上げても滑り落ちないのでしょう（笑）
一方膝の後ろで足が持ち上がると、腰より膝が上にくる形になり、全身は横倒しになって宙に浮きます。実はこの足が宙に持ち上がる、というのが思った以上に不安定で落ち着かない気分になります。足場がなくなる、ということと、宙ぶらりんで体重をささえる腕や足がどこにもつかないことによる不安感のせいか、仰向けになって弱い腹部をむき出しにしているからなのか、とにかくくこの足が持ち上げられてどこにもつかず宙に浮くというのが、こころもとなく全身相手にまかせっきりという感じがするので、これは大変受け身な気分を引き起こすようです。
また、膝の後ろに腕が入っているので、両足がぴったりくっついた形でおさえられてしまい、足も自由になりません。これも上記の理由になりそうです。
男性が体を持ち上げて立ち上がると横倒しになって相手の顔は自分の顔に近くなりますが、実際には女性が腕を男性の背中とか首とかに回していないとそう長いことは支えられない。うちの兄上のように弱っている状態で抱き上げると、頭は重さで後ろに垂れ、首すじがむき出しになります。これまた相手に完全に弱点をさらす姿勢になるので、こうなると非常に無力な状態で相手に全身預けてしまう、という感じになります。
一方で男は両腕を差し出してこちらの体を持ち上げてるので、ちょうど前に捧げ持つようなニュアンスがあります。両手を出して体の前に捧げ持つ、というのは、貴重な何かを持つときの姿勢です。神や王に何か捧げるとき片手で持つ人はいません。両手ともふさがってしまうので、腕で身を守ることができませんから、通常はどんなものでも片手で持ち、もう片方の手を空けておきたい。にもかかわらずその大事な両手を使って持ってしまう、というのは、物であれ人であれ、持つものが特別に貴重なもの、重要な何かであることをあらわします。現代でも名刺を両手で渡せ、なんていうのはその名残でしょう。
こういう貴重品扱いされる、という無意識の感覚が、一つの喜び、快感につながるのではないかなーと思います。男も女性をお姫さま抱っこしている限り、自分で自分の身を守れませんから、何かあれば自分の体で抱き上げてる相手をかばうことになる。その危険をあえておかして、お姫さま抱っこをするわけで、それもまた抱かれることに快感を感じる理由になるのかも。
この命にかかわる弱点を無抵抗で相手にさらけ出す受動的な感覚と、一方で大変価値のある貴重なものとして扱われる快感、この二つがあわさって、お姫さま抱っこにいわば特別なエロティシズムを与えているのではないかと思います。
つまりはお姫さま抱っこに限らず、この二つをそなえていればエロティックな雰囲気を引き出すことができるということなのか。ほー、なるほど、なんつって。
いや、これは私のまったくの勝手な連想に過ぎませんが、しかしお姫さま抱っこ、兄上には似合いますね。日頃強くて無敵なので、こういう姿勢がそれだけで強調されるからかなー。でも同じように強くても、犬君や奈落には抱っこが似合うとは、私に限ってはあまり感じません。兄上だけなのです。なぜかなあ？
最終的には個人の好みということなのでしょうが、それにしてもお姫さま抱っこってやっぱりいい気分だなー、と経験してみて思いました。
・・・ちなみに私はお布団と枕を二つ積み重ねて橋状にその上に横になるやり方で上記を試しました。これってホントは布団さま抱っこか？（笑）
